目の前に人が倒れている、どうしよう?【緊急時の応急方法・救急救命】
目の前に人が倒れている
どうしよう。
東京に来てから、道端に人が倒れているのをよく見かけるようになった。
一応看護師なので、最初の頃はとりあえず
「大丈夫ですか?」と声をかけるようにしていたが、だいたいそれは酔っ払い。
「俺にかまうなー!!」
「バカにするなー!!」
「昼寝をしているだけなんだー!!」
と怒鳴られて、声かけが損になるような事が多かった。
いや、いや、こんな道のど真ん中で昼寝しないでよ!
本当に紛らわしいし、目の前で車にでも引かれたら、今晩寝つき悪くなるし!
とりあえず道端で人が倒れていたら心配になる。
しかし、本当に緊急性が高い状態なのか、ただ寝ているだけなのか見極める必要があると思った。
なので、道端に人が倒れている時に声を掛けて良いものか、もし緊急だった時の対応方法をまとめてみた。
声を掛ける必要がない人
緊急性が低い。または、ただ寝ているだけの可能性がある人
ホームレス・身なりが極端な人
ホームレスは路上生活をしている人ので、道に寝る事が生活の一部
そっとしておくのが無難
身なりが極端な人(お風呂に半年以上入ってなさそう)やド派手な恰好の人は、ただ寝ているだけの事が多く、緊急性は低い
酔っ払い
顔が真っ赤な人や、ぶつぶつ言っている人、周囲にマーライオンの落とし物状態の人は関わると危険な目にあう可能性がある
※ただし、泥酔状態で、命を落とす危険性もあるので、顔色が悪い人は注意が必要
声を掛けた方が良さそうな人
緊急性が高そうな人
女性
女性のホームレスは珍しいので、路上生活者と考えにくい
女性が仮に酔っぱらって倒れていたとしても、危険な目にあう可能性があるので、助けた方が良い
顔色が悪い人
顔色が悪い人は、息をしていない、心停止、苦しい状態、貧血などの状態が考えられるため、緊急性が高い
出血している人
ケンカした大男じゃない限り、出血して倒れている人はすぐに声を掛けた方が良い
ケンカなら近づかずに警察を呼ぼう
身なりが綺麗な人
身なりが綺麗で路上に倒れていたら、ホームレスとは考えにくい
とりあえず声を掛けた方が良い
道に人が倒れていたら、このような基準で判断すれば大丈夫だと思う。
ちなみに、緊急性の高い時の対応方法もご紹介。
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緊急時の応急処置の仕方
もし道端で人が倒れていて、緊急性が高いと判断出来たら、以下の手順で緊急時の応急処置を行っていきます。
1、意識確認
「大丈夫ですか」
「もしもし」
などと、声をかけて倒れている人の肩を軽く叩く。
呼びかけに反応して目を開けたり、手足を動かすなどあれば「意識がある」と判断し、倒れている人の訴えを聞き、必要に応じて応急処置をする。
呼びかけに反応がなければ「意識なし」と判断する。
2、助けを呼ぶ
「意識なし」と判断できたら、まずは近くの人に助けを呼ぶ。
「救急車で119番をお願いします」
「AEDを持ってきてください」
と大きく助けを呼んでください。
3、呼吸の確認
呼吸の確認方法として、胸部・腹部の動きを確認する。
「呼吸をしている場合」や脈が正常の場合は、声かけを続けて様子を見ながら救急車を待つ。
「呼吸をしていない」もしくは正常でない呼吸(あえぐような弱い呼吸など)の場合は心臓マッサージを開始する。
4、心臓マッサージ・心肺蘇生法(CPR)開始
胸骨圧迫(心臓マッサージ)の方法
胸骨圧迫の部位は胸骨の下半分とする。
深さは胸が約 5cm 沈むように圧迫するが、6cm を超えないようにする。1分間あたり 100~120 回のテンポで圧迫する。
引用:JRC蘇生ガイドライン2015オンライン版を公表致します。 | JRC
現在の救急処置としては、胸骨圧迫(心臓マッサージ)が優先されています。
呼吸をしていなければ、まずは胸骨圧迫(心臓マッサージ)を第一優先で行いましょう。
気道確保と人口呼吸の方法
救助者が人工呼吸の訓練を受けており、それを行う技術と意思がある場合は、胸骨圧迫と人工呼吸を 30:2 の比で行う。とくに小児の心停止では、人工呼吸を組み合わせた CPR を行うことが望ましい。
人工呼吸を行う際には気道確保を行う必要がある。気道確保は頭部後屈あご先挙上法で行う。
1回換気量の目安は人工呼吸によって傷病者の胸の上がりを確認できる程度とする。CPR中の過大な換気量は避ける。送気(呼気吹き込み)は約1秒かけて行う。
引用:JRC蘇生ガイドライン2015オンライン版を公表致します。 | JRC
感染防護具(人工呼吸用マスク)がない場合や口対口の人工呼吸に躊躇する場合は、人工呼吸をせず胸骨圧迫(心臓マッサージ)のみを行って下さい。
それだけでも、十分効果があります。
こういった 人工呼吸用マスクがストラップになった商品も販売しています。
医者や看護師、救急救命士などの医療関係者の中に、こういった人工呼吸用マスクを持ち歩いている人もいます。
非常時に使えて便利です。
5、AED使用
AEDが到着したら、説明書の指示に従って使用して下さい。
AEDの取り扱い説明書や、アナウンスはすごくわかりやすくなっています。
1) パッドの貼付
右前胸部と左側胸部に電極パッドを貼付する。未就学の小児に対しては、小児用パッドを用いる。小児用パッドがない場合には、成人用パッドで代用する。成人に対して小児用パッドを用いてはならない。
2) 電気ショックと胸骨圧迫の再開
AED による ECG 解析が開始されたら、傷病者に触れないようにする。AED の音声メッセージに従って、ショックボタンを押し電気ショックを行う。電気ショック後は直ちに胸骨圧迫を再開する。
引用:JRC蘇生ガイドライン2015オンライン版を公表致します。 | JRC
AED後は再度、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を再開して下さい。
6、救急車到着
救急隊に状況の報告をして下さい。
※状況に応じた対応をお願いします。
まとめ
目の前で人が倒れていたら、どうすれば良いかすごく戸惑いますよね。
みんなジロジロと見てはいるけど、誰も声を掛けない状況なんてよくあります。
もし、本当に危険な状態だったらどうしよう・・。でも誰も声を掛けていない。
見て見ぬふりをして、あとあと助けられずに後悔はしたくないですね。
危険な状態かどうか見極めて、これらの対応方法を参考にしてみて下さい。
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