飛鳥の蘇を食べた。~貴族が愛した古代チーズの味~
私が蘇(そ)の存在を意識し始めたのは、中学生の頃
内容が全く頭に入って来ない日本史の授業で唯一、教科書にアンダーラインを強めに引いたのが「蘇」という単語でした。
どうしても4時間目の授業はお腹が空いてしまうため、私は教科書に載ってある食べ物の写真ばかりを眺めては、授業そっちのけでその味を想像して、空腹をしのいでいました。
特に「蘇」という食べ物に関しては、今までに見たことも聞いたこともない、未知の味だったので、私は「蘇の味を想像する」事で、日本史の授業を乗り切っていました。
そもそも蘇とは
日本におけるチーズの歴史は、西暦650年の飛鳥時代にまでさかのぼれると言われています。
この時代におけるチーズは、「蘇(ソ)」という呼ばれ方をしていました。蘇の作り方はごく単純で、牛乳をひたすらに煮詰めて作ったものです。
蘇は非常に高価で貴重なものでした。そのため、蘇は庶民の口には入らず、一部の上流階級の人間のためだけの食べ物でした。また、神様のための供物としても使われていました。
引用:http://aissy.co.jp/ajihakase/blog/archives/10494
古代のチーズと言われる「蘇」とは、いったいどんな味がするのだどうか
チーズよりもより濃厚で、かつ少し甘そうで
当時は貴族しか食べられない高級食品って、美味しいのだろうか
蘇が食べたい、蘇が食べたい、あぁ蘇が食べたい。
蘇・・・
蘇・・・
蘇・・・
蘇・・・
そ・・・
そっ!!!
( ゚Д゚)
その日から、私の頭の中には
そそそそそそそそそそそそそそそそっそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそっそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそっそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそ
蘇と言う単語がぎっしりつまってしまい、蘇の事ばかりを考える日々なってしまったのです。
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そしてそんな私も、時が経つと蘇の事をすっかり忘れてしまい、食い意地の張った青春時代を無事に終え、成人して社会人となりました。
社会人になって出来た友人の一人から「奈良へ観光に行ってきたので、お土産を渡したい」と連絡があり、私たちは久しぶりに会う事となりました。
奈良のお土産の定番は奈良漬け。今回のお土産はお漬物って所かな。なんて失礼な想像をしながら、友人と私は再開しました。
その友人は、奈良の飛鳥へ行ってきたそうで、小さな箱に入ったお土産を私にくれました。その箱の表面には「飛鳥の蘇」と言う文字が書かれており、私はその「蘇」という単語を認識した瞬間に頭の中で、中学時代に恋い焦がれた青春の思い出「蘇」が蘇ってきたのです。
私「これは、もしかしてあの蘇!??」
友人「うーん。お土産こんなんでごめんね」
私「何言ってんの!?エスパー!?貴族のたしなみ古代のチーズでしょ!?こんな立派なもの本当にもらっていいの?」
私が友人からもらったお土産は、私が昔から食べたいと思っていたあの”蘇”でした。
やっぱり、願えば叶うもんなんだね。
10年くらいかかったけど・・
これが、あの夢にまで見た「蘇」か・・。
古代のチーズと言われるだけある、くすんだ乳製品の塊。
どんな味がするんだろうと、私は家に帰るまでワクワクが止まりません。
そして帰宅するとすぐに私は、手洗いうがいをした綺麗な手で包丁を持ち、蘇を小さくカットして食べてみることにしてみました。
あの夢にまでみた蘇が・・。
・・・。う
( ゚Д゚)
これが、古代のチーズと言われる蘇の味か・・。
1口食べただけで、現代のチーズの方が圧倒的に美味しいのがすぐにわかりました。
例えるなら、甘くないミルクケーキ
あとは、スキムミルクや粉ミルクを素朴な味にして、固めて泥団子にしたような味
ざらっとした甘くないキャラメル
ぬっとりした腐りかけのチーズ
全然良い例えが思いつきませんが、とにかく素朴な味わいという事で間違いありません。
夢にまで見た蘇は、そんなもんでした。
ネットの口コミを見ると、ワインに合うとか素朴で美味しいとか書いてるけど、感想は人それぞれ
最近はネットでも気軽に蘇が手に入るそうなので
気が向いたら、リピートしようと思っています。
このブログを最後まで読んでしまった人は、もしかしてすでに「頭が蘇」になっているかもしれません。
その味が気になった人は、トライしてみるのも良かも
しかし、私への文句はいっさい受け付けないので、あしからず。
(*´Д`) ソソソ
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